もしあなたが今、「これだけやっているのに、なぜ正しく見てもらえないのだろう」と感じているのなら、ぜひご覧ください。この記事では、評価制度に不満を感じる理由を分解し、その不満を解消して評価を上げるための施策提案まで、順を追ってお話しします。
なぜ、私たちは評価制度に不満を感じるのか
先に一つ、お伝えしておきたいことがあります。評価制度に不満を持つのは、あなたに忍耐力がないからでも、努力が足りないからでもありません。むしろ、仕事に「正しく報われたい」という真っ当な期待を持っている証拠です。その気持ちを、まずは肯定するところから始めてみましょう。
働いた分だけ認められ、より一層組織に貢献したいと思う。これが理想的な労働環境かと思いますが、現実としてこのような環境はほぼ存在しないと言って良いでしょう。評価が「される」という受け身である以上、自分の思い通りの評価を得られるとは限らず、結局は上司や組織の論理で貢献度が測られることになります。
結果として、自分が思っていたよりも評価されない、という事は往々にして起こることとなります。自己評価が高すぎるという事もあり得ますが、そこに気づくのは容易ではありません、結果として、期待と評価、見返りにミスマッチが生じた時、私たちは疑念という名の不満を感じることになります。
期待してはいけないのか
自分を守る方法としては、相手や評価に期待しないというのは良い方法です。しかし、こと評価に関して言えば、仕事の目的の大部分、少なくとも第一目標は金銭を得ることであることから言っても、期待するなとは言いにくいのも事実です。結局、人とは相手に期待しがちな生き物だと言えるでしょう。
しかし、期待を裏切られたときの痛みは、思っている以上に深刻です。こんなに頑張ったのに、あれだけ成果を上げたのに。こんな不満は、容易に「組織からフェアに扱われていない」という感覚を生み出します。そうなってしまえば、職場に対して冷めてしまい、自らの成長機会を閉ざすことにもなりかねません。
評価制度が抱える「構造的な理由」
誰しもが貢献を認められる職場で働きたい。それは当然ですが、会社には評価制度が全くない場合もありますし、評価制度がある場合でも、それが有効なものではないこともあります。従業員のモチベーションを下げかねない「バックファイア気味」な評価制度には、例えば以下のような特徴があるでしょう。
評価者が現場の仕事を十分に把握できていない
まず一つ目。あなたの上司は、あなたの仕事のすべてを見ているわけではありません。理想を言えば上司側にも部下の見えない貢献を探ろうとする意図があって欲しいですが、特に自身の能力で出世した、いわゆるプレーヤータイプの上司は、見える成果しか評価しない、またはできないという方も多いです。
いずれにせよ、評価者が把握しているのは、あなたの働きの「一部」でしかありません。目立つ成果や、報告に上がってきた出来事は見えていても、日々の地道な下支えは見えていないことがほとんどです。そして、見えていない貢献は、無いのと同じに扱われることもある。残念ですが、これが現実です。
制度が古く、現場の変化に追いついていない
二つ目は、制度そのものの老朽化です。評価制度は作成後、改定されないことがあります。経営側から見て、評価制度は業績向上の最優先課題とは思われないためでしょう。しかし(少し前の言葉ですが)VUCAの世の中、現場業務はリアルタイムで動いており、評価制度はどんどん時代遅れになりかねません。
新しいツールを使いこなして効率化に貢献しても、古い評価項目にはそれを測る欄がない。例えば、DX対応の成果は評価されないかもしれません。数字に表れにくい調整役やフォロー役の価値も、古い制度ほど拾いきれません。現場は進んでいるのに、ものさしが昔のままでは無意味どころか有害です。
評価項目が抽象的で、個人の強みが反映されない
三つ目は、評価項目の抽象性です。「協調性」「主体性」「責任感」――どれも大切な言葉ですが、あまりに漠然としていて、測定しにくい点があることは否めません。抽象的な項目は、評価者の主観が入り込む余地を大きくします。つまり、評価者の価値観が第一になり、公平性が失われるリスクがあります。
評価者が全知全能で抽象的な価値観も公平に評価できる別ですが、その様な評価者は存在しません。よって、抽象度の高い評価項目は、評価者自身の評価能力に依存する仕組みとなるのです。この構造がゆえに、抽象的な評価項目は「実力より要領のいい人が得をする」という現象の引き金になることがあります。
年1回の評価では、改善の機会が少なすぎる
四つ目は、頻度の問題です。多くの会社で、正式な評価は年に一回、半年に一回ではないでしょうか。私にも経験がありますが、仕事は増えて肩書も昇進したものの給与は据え置き。1年間耐えねば給与は上がらず、上がる保証もない。社内規定に「昇給は随時」とあっても、その運用は恣意的で形骸化しがちです。
また、もし一年間の努力の方向がズレていたとして、それに気づけるのが一年後だとしたら遅すぎます。フィードバックが一年に一度では、成長のサイクルを回しようがありません。評価や昇進の機会が年1回限定だとすれば、それは会社側の怠慢である以上に、誠実さに欠ける対応ではないでしょうか。

不満の種類と対応策
不満を解消するには、その「不満の中身」を知るのが一番。漠然としたモヤモヤを晴らすことは難しいですが、正体がつかめれば解消策も見えてきます。孫子の兵法にも「敵を知り、己を知れば」という有名な一節がありますが、まずは自分が何に苦しんでいるのかを知る。それが最初の一歩だと考えましょう。
| 不満のタイプ | 感情 | 改善の打ち手 |
|---|---|---|
| ①努力不可視型 | 「やるだけ損をする」 | ・実績を可視化する ・効果をアピールする |
| ②基準あいまい型 | 「評価基準がわからない」 | ・1on1等で評価基準を確認する ・評価の高い中堅先輩のやり方をまねる |
| ③主観・相性型 | 「えこひいき」ばかりだ | ・評価の差がある理由を再調査する ・上司が上司に評価される手伝いをする |
| ④成果主義への疲弊 | 「数字以外の成果もあるのにな」 | ・自分の期待値を見直す ・スキルアップを目指す |
評価への不満は、出来る限り早く解消したいものですよね。ただし、不満のタイプによって効く打ち手が変わってきます。以降では一つずつ簡単に、状況を変えうる対応をお話ししていきます。成果をアピールする方法については、このページの最後の方でも別に章を設けてお話していきます。
①努力不可視型 ――「やるだけ損をする」と感じるあなたへ
「率先して業務をこなしても、誰からの一言もない。やるだけ損だ」。この感覚は、本当につらいものです。手を抜いた人と同じ評価だと知ったときの脱力感には、私にも覚えがあります。ですが、もしかするとこの不満は誤解に起因しているかもしれません。つまり、努力が「見えていない」だけなのかもしれないのです。
実績をアピールすることがあまり得意ではない、または好きではない方もいるでしょう。しかし何も、「私はこんな実績を挙げました」と直接上司に報告しろと言っているわけではありません。業務日報に混ぜ込んでおくのも手ですし、アピールではなく事実を記録しておくことが重要になります。
そして、上司との面談や日々のやり取りの中で、自分が携わった業務成果を控えめに、しかし揺るがぬ事実として伝えていきましょう。このような方法で成果を可視化しても評価されないなら、貴方の価値観と会社の価値観の間にズレがあると言えます。とはいえ、この認識の獲得もまた、一つの成果ではあります。
②基準あいまい型 ――「評価基準がわからない」と感じるあなたへ
「そもそも、何を頑張れば評価されるのか分からない」。この状態は、シンプルに意欲を減退させます。私たちが仕事をするのは「収入の獲得」が大きな目的の一つであり、誰しも評価につながる業務に労力を投下したいと思うのは当然。しかし、進むべき方向が分からない状態では、意欲の維持は困難です。
この場合、まずは直属の上司に「どんな成果・成長が評価に繋がりますか」などと聞いてみるのが良いでしょう。評価制度があるならその内容説明、無い場合でも何らかの回答は得られるはずです。なお、給与アップの話はがめついとマイナス評価されることもあり、成長意欲があることを添えるのが吉です。
もう一つ有効な手段は、自分と同じ業務に従事している「やり手の先輩」のやり方を観察し、真似てみることです。評価される人には、たいてい共通する動き方があります。結果を出すプロセス、つまり周りとの連携方法、報連相の有無なども要チェックですね。成功事例を模倣できれば、評価の改善が期待できます。
③主観・相性型 ――「えこひいきばかりだ」と感じるあなたへ
三国志で有名な諸葛孔明は「信賞必罰」を組織運営の中核とし、時には愛弟子の規範違反を処罰するなど、公平な組織運営を心掛けていたようですが、残念ながら全ての組織がそうだとは限りません。「結局、えこひいきじゃないか」。同じ成果でも扱いが違うと感じたとき、この不信感は簡単には拭えません。
とはいえ、「評価の差は、本当にえこひいきなのか」という点は、客観的に検証するべきです。出している結果は同じでも、評価される要素は一つではありません。例えば結果に至るまでのアプローチやプロセスが違っていて、結果として成果の再現性が異なる、など見えていなかった何かが存在するかもしれません。
そこで、評価されている人がなぜ評価されているのか、その評判や理由を、周りにそれとなく聞いてみることをおススメします。ただ「あの人、評価されているよね。何が良いんだろう」と、軽く尋ねてみるだけでよいのです。もし自分の至らない点が見えたとしたら、評価されるための道筋も見えてくるでしょう。
そもう一つ、好き嫌いは別れるでしょうが、あなたの上司が上に評価されるのを手伝う――つまり上司の勘所を理解して支えると、あなたへの印象は自然と上向くでしょう。おべっか等の言葉ではなく、業務の成果を通じて「こいつはこちら側、使えるな」と思ってもらえれば評価も上向くかもしれません。
④成果主義への疲弊 ――「数字以外の成果もあるのにな」と感じるあなたへ
この様な不満を覚えるのは、事務職の方が多いかもしれません。組織は適材適所、役割分担のうえで共通のゴールの達成を目指すものです。この意味で、裏方業務も会社の大切な一部分です。ただし、私も事務職系の方が長いですが、現実として事務職の待遇は、営業職に比べて控えめになりがちです。
営業の方はノルマへのプレシャー、外回り、お客様との面談、折衝などのストレスがかかる業務を通じて、会社が生き残っていくための売上を作ってくれる存在です。そのため、相対的に待遇が良くなるのは当然のことだと思います。つまり、職種によって給与の基準テーブルが違うという現実は認識せざるを得ません。
一方、営業が数字を追うだけで会社が成り立つ訳もなく、協調性ある態度、事務職の努力も軽視されるべきものではありません。評価制度がある場合、成果指標には売上以外にも、成果・成果を生み出すための知識や能力、仕事への向き合い方などの要素があるはずで、そこでの評価アップを狙いましょう。
また、事務職の中で専門性を獲得し、キャリアアップを図るのも良い手段です。それは例えば事務で必要とする法律や経理に関する知識でも良いですし、AIツール等を用いた業務効率化スキルでもOKです。「〇〇さんだからできる」を増やすことができるなら、給与の増加も期待しやすいでしょう。

不満を抱えたまま放置すると、何が起きるのか
以下では「不満を持ち続けること」の影響を考えていきます。不満は基本的にマイナスのエネルギーでマイナスの効果をもたらします。しかし、人によっては不満をバネとして推進力を得ることも出来るかもしれません。
モチベーションの低下(マイナス効果)
最初に訪れるのは、やる気の緩やかな低下です。「どうせ評価されない」という諦めが芽生えると、人は無意識に力をセーブし始めます。これは怠けているのではなく、心が自分を守ろうとする自然な反応です。搾取されているという感覚を持ちながら努力し続ける事が出来る人間は、そう多くはないはずです。
しかし、ここに落とし穴があります。力をセーブすればするほど、成果は下がり、評価はさらに下がる。すると諦めが深まり、また力が抜ける。この負のサイクルに入ってしまうのは大きな問題です。また、手を抜くのが当たり前になると成長は難しくなり、長期的なキャリアップを実現しにくくなってしまいます。
成長の方向性が見えなくなる(マイナス効果)
二つ目は、成長の羅針盤を失うことです。評価に不満を持ったまま働いていると、「何を伸ばせばいいのか」が分からなくなります。目指す方向が定まらないと、日々の努力が積み上がっていきません。その日その日をこなすだけの働き方になると、一年経っても去年と同じ場所にいる、ということになりかねません。
成長は別に強制されるものではありませんし、仕事は手を抜いてほどほどに、と言う価値観もあり得ると思います。ただ、成長を目的ではなく望む生活を手に入れる手段と考えるならば、成長を通じて専門性を獲得するべきです。能力があれば自分の意見も通しやすくなります。成長は、自分の発言力を高めてくれます。
転職を考えても、軸が定まらず迷走する(マイナス効果)
不満が限界に達すると、多くの人が「転職」を考え始めます。これ自体は自然なことです。ただ、ここで気をつけたいことがあります。不満だけを燃料にした転職は、迷走しやすいのです。自分が本当は何を求めているのか、何を捨てられるのかが曖昧なままでは、次の会社でも同じ不満で苦しむリスクがあります。
私は人間の欲には際限がなく、自制心を働かせないと、「あれも欲しい、これも欲しい」となりがちだと思っています。しかし、全てを満たしてくれる職場は存在しないでしょう。だからこそ、自分の理想に近い働き方を手にれるためには、何を求めているかと同じくらい、何を捨てられるかを考えるべきです。
行動の推進力になる(プラス効果)
職場で不満が高まってくると、こんな働き方は嫌だと感じるでしょう。そして、自分の理想を手に入れるとの決意を高め、実際にその実現行動を続けていく推進力を得ることができることもあります。焦って行動するのは考え物ですが、「今を変えたい」と願う気持ちは、チャレンジしていく原動力になります。
実力が付けば発言力を増すことが出来ます。キャリアアップも叶えやすくなります。転職でも引く手あまたになります。一時の修行と思って不満を飲み込み、実力をつけて三行半を突きつける。そういう方法もないことはありません。とは言え、無理は禁物。体調面で異常をきたすようなら、改善が必要です。
成果をアピールする方法
私がとあるオフィスで働いていた時、別会社の人が「評価はされるものなんだよ、自分で頑張ってるっていってもねぇ」などと大声で話している人を見かけたことがあります。私はこの人の下では働きたくないなと思いました。評価はされるのを待つだけではなく、意図的に見える化してもよいと思うからです。
評価基準をすり合わせる
上司に「どういう成果を出せば、より高く評価されますか」と、聞いてみましょう。基準を確認するのは、決して図々しいことではありません。自分が組織に貢献したい、スキルアップしたいという意欲を見せれば、目標に対して真剣な姿勢の表れとして、好意的に受け取られることのほうが多いはずです。
聞いた内容は、必ず自分の言葉でメモに残しておきましょう。次の面談で「前回このように伺ったので、この点を意識しました」と伝えられれば、認識のズレは大きく減ります。評価はすり合わせるものだと考えてみるのです。少し言い方を変えれば、「上司との約束、言質を取る」とも言えるでしょう。
成果を「見える化」する自己アピールの仕組みを作る
次に試したいのは、成果の「見える化」です。すでにお話しした通り、上司はあなたの働きの一部しか見ていません。ならば、見えていない部分を、上司にも見えるようにしましょう。とはいえ、大げさな報告書を作る必要はありません。自分が挙げた成果を、事実として業務日報等で残しておきましょう。
この記録は、面談の場で強力な武器になります。記憶に頼ると、人はどうしても直近のことしか話せません。しかし、メモ程度でも記録があれば、一年間の貢献を具体的な事実として語れます。感覚ではなく事実で語れる人は、評価者にとっても評価しやすい相手なのです。
| 見える化の内容 | 手軽さ | 効果が出やすい場面 |
|---|---|---|
| 週次の作業メモ | ◎ すぐ始められる | 日々の地道な貢献を残したいとき |
| 月次の成果サマリー | ○ 少し習慣が要る | 面談前にまとめて振り返りたいとき |
| 数字での実績記録 | △ 職種による | 営業や制作など成果が数値化できるとき |
| 感謝された事実のメモ | ◎ すぐ始められる | 数字に出ない貢献を裏づけたいとき |
自分の強みを評価項目に紐づけて伝える
これは少し戦略的な話になりますが、自分の強みを会社の評価項目と結びつけて伝えることは、より高い評価の獲得に役立ちます。あなたの強みが、そのままでは評価項目に載っていないとしても、あなた自身が自分自身のための翻訳家になることで、評価対象としてちゃんと拾ってもらえるようになります。
評価は基本的にされるもの。とはいえ、完全に受け身でいなくてはいけないという理由もありません。
フィードバックを定期的に取りに行く
また、フィードバックを自分から取りに行くことも重要です。年に一度の評価を待っていては、改善の機会が少なすぎる。これは先にお話しした通りです。ならば、正式な評価とは別に、日常の中で小さなフィードバックを集めればいいのです。時には耳の痛い指摘もあるかもしれませんが、成長痛と思いましょう。
何か仕事を終えたときに、「今回の業務で、改善できた点はありますか」と、さらっと聞いてみる。この一言があるだけで、上司はあなたを「成長意欲のある人」として認識します。そして、その積み重ねが、評価面談での印象を確実に底上げします。意欲のない人、ある人のどちらが好ましいと思いますか?
評価されやすい行動を戦略的に選ぶ
同じ努力をするなら、評価につながりやすい行動を意識的に選ぶ、という視点を持つのよいですね。キチンと評価される業務に従事することは、自身の意欲維持にも繋がりますし、ひいては会社のためにもなります。チームのために仕事をする姿勢を持ちつつ、あえて日陰を選択し続けるのは止めるのです。
会社が今どの方向を向いているのかを見て、自分は何を求められているのかを把握し、「効く場所」に労力を投下するのです。とはいえ、繰り返しになりますが、自分の評価にならないことはやらない、という姿勢を極端にしてはいけません。それはあなたをチームにとって有害な存在にします。

それでも改善されないときの、次の選択肢
ここまでの打ち手を試しても、状況がどうしても変わらないこともあります。制度が硬直していたり、上司との関係が根本から難しかったりする場合です。そんなときに考えたい選択肢を、順に見ていきましょう。大切なのは、いきなり退職を考えるのではなく、負担の小さい選択肢から順に検討することです。
社内で環境を変える ―― 評価者を変える・部署異動
まず検討したいのは、会社を辞めずに環境を変える方法です。上司との相性が問題ならば、部署異動や配置換えによって状況が一変する可能性があります。人財という言葉もある程度の知名度を得ている今、社員の離職を避けたいと考える企業は多く、あなたの要望を聞き入れてくれる可能性はあります。
この会社はもうダメだと思っても、環境を変えてみたら景色が違った、ということも十分にあり得ます。異動願いを出すのはハードルが高く感じるかもしれませんが、選択肢として持っておく価値はあります。
外の世界で情報収集する
社内での改善が難しいと感じたら、次は「外の世界を見てみる」ことをおすすめします。ここで大事なのは、いきなり応募することではなく、まず自分の「市場価値」を確かめてみる、という軽い一歩です。自分の強みが、他の会社ではどう評価されるのか。今の年収は、市場から見て妥当なのか。
これらの情報を知るだけで、客観的な判断がしやすくなります。今の会社の評価が、絶対的な自分の価値ではないのです。転職エージェントに登録して話を聞いてみるのは、自身の市場価値を知る手軽な方法の一つです。ここでの目的は、あくまで「情報を得ること」で、すぐに転職する必要はありません。
キャリアの軸を再定義する
三つ目は、少し内省的な作業。外を見て市場価値を確かめたら、今度は自分の内側に問いを向けてみましょう。「自分は、そもそも何を大事にして働きたいのか」という、キャリアの軸の再定義です。評価制度を通じて感じた不満を言語化し、自分の価値観をしっかりと認識することが重要です。
数字を重んじる会社もあれば、プロセスを重んじる会社もある。個人プレーを称える会社もあれば、チームワークを称える会社もあります。どちらが正しいという話ではなく、あなたに合うかどうかの問題です。企業の給与だけをみるのではなく、理念やパーパスなどを含めた企業研究が重要になってきます。
転職と言うカードを打つ
そして最後のカードが、転職です。ここまで順に見てきて、それでも「やはり環境を変えたい」と思うなら、それは十分に検討に値する選択肢だと思います。ただし、転職は人生に大きく関わる決断ですから、軽はずみな決断は避けた方がよいでしょう。出来る限り慎重な検討をしたうえで、判断しましょう。
「今が嫌だから逃げる」というよりは、「自分の強みが正しく評価される場所へ移る」方がベターです。時には即時撤退も必要ですから、逃げることを否定するものではありませんが、出来る限り戦略的に動きたいですね。価値観が合う企業で働くことが出来れば、日々の充実感や納得感は大きく向上するでしょう。
まとめ:制度に振り回されず、自分の価値基準を持つ
評価制度について、私の考えを述べてきました。最後にもう一度述べておきたいのは、今勤めている会社からの評価を、自分の価値のものさしにしないことです。組織は不完全で、その評価もまた不完全です。一つの制度が下した評価が、あなたという人間のすべてを表しているわけではありません。
また、行き過ぎた個人主義に陥るのは避けなければいけませんが、自らの成果を効果的にPRするという姿勢を持つことも重要です。あなたはあなたのためのスポークスマン。黙って汚れ仕事を続けられることは美徳ですが、評価制度が不完全ならばその努力に光は当たることはありません。
加えて、仕事での評価とは全く別のところに、あなたが持つ唯一無二の価値もあるとも自覚しましょう。仕事で嫌味を言われても、舌打ちをされても、馬鹿にされても、あなた自身が持つ価値は損なわれてはいません。私自身も修行中ですが、感情を切り分けて本当に大切な気持ちだけを胸に残しておきたいですね!
